フィラリア予防の注射|注射用プロハートについて

フィラリア症とは蚊によって媒介される寄生虫感染症です。体内に入り込んだフィラリアは体中の血管を巡りながら成長し、最終的に心臓や肺動脈に寄生します。
一度寄生されると長期の治療が必要となり、命に関わることもある重大な感染症のためフィラリア予防はとても重要です。

プロハートは1年に1度の注射でフィラリア予防が終了するため、予防忘れや煩わしさがなく、成犬にはお勧めの予防法です。

今回は注射用プロハートについて解説していきます。

■目次
1.フィラリアの治療方法
2.プロハートの特徴
3.副作用について
4.まとめ

フィラリアの治療方法

フィラリア症は、蚊を介して犬の心臓や肺動脈に寄生する寄生虫が起こす病気です。
フィラリアが心臓や肺動脈に寄生することで血液の流れが悪くなり、様々な障害が出現します。放置すれば死に至ることもある重大な病気です。

成虫を排除するには駆虫薬の使用や手術による摘出が必要になりますが、駆虫薬は死んだ成虫が肺血管を急に塞ぐリスクがあるため、多数の寄生がある場合には推奨されません。
さらに、手術に使用されるアリゲーター鉗子が現在は生産されていないため、手術は非常に困難です。
したがって、フィラリアに感染しないように確実に予防することが大切です。

 

プロハートの特徴

プロハートの特徴はなんといっても、1年に1回動物病院で注射することによってフィラリアの予防ができることです。
他の経口薬やスポット剤は月に1度投与する必要があり、忘れてしまったり気づかぬうちに犬が吐き出してしまったりと、予防が不完全になってしまう例もありますが、プロハートはそのような事態を防げます。

また、温暖化の影響により蚊の飛ぶ時期が長くなり、フィラリア予防の長期化が心配されています。通年予防として蚊の活動が活発な時期はもちろん、活動そのものは減るが飛んでいる冬の時期でもしっかりと、確実に予防することが大切です。
プロハートは何月でも投与が可能なため、動物病院が混雑している春先を避けて予防を始められます

なお、プロハートの投与量は体重によって決定するため、体重が大きく変化する成長期の子犬には使用ができません。また、高齢犬や持病のある犬は主治医と相談しての投薬となります。
加えて、狂犬病や混合ワクチンなど他の予防接種との同時接種はできないので、間隔をあける必要があります。

 

副作用について

フィラリア予防のためのフィラリア注射は、医薬品の一種であるため、副作用のリスクが伴います
メーカーによる試算では、接種推定数約5.5万頭の中で、軽度の副作用が64件、アナフィラキシーが23件、死亡が1件報告されています。しかし、接種総数を考慮すると、副作用のリスクは非常に低いと言えます。死亡リスクもゼロではありませんが、非常に稀な例とされるため、安心して使用できると考えられます
また、ワクチンアレルギーなどがある場合は主治医と相談のうえ慎重に投与をご検討ください。

フィラリア予防の注射薬を使用する際には、その副反応の発生率やリスクを十分に理解したうえで、適切に対応することが重要です。

 

まとめ

月に一度のフィラリア予防は薬の購入や投与など飼い主様の負担も多いものです。また、薬を嫌がってしまう場合は投薬の苦労もあるでしょう。
そのような子にプロハート注射はとても画期的な予防法です。フィラリアは1度感染してしまうと長期の治療が必要となる厄介な感染症です。
毎月の予防に悩まれている方は是非ご利用を検討してみてください。

当院のプロハート注射についてのお知らせはこちら

 

大阪府吹田市の動物病院なら「吹田こもれび動物病院」

診療案内はこちら