みなさんの愛犬や愛猫は、健康診断を受けていますか?
健康診断は、予防医療のひとつです。予防医療とは、名前の通り病気の発生を防ぎ、健康を維持するための医療です。
人と違って自らの体調不良を言葉で伝えられない犬や猫にとって、健康診断は特に重要です。
今回は犬と猫の健康診断の重要性について、検査内容なども含めて解説していきます。
■目次
1.犬と猫の健康診断の重要性
2.健康診断の項目や内容
3.健康診断で発見される一般的な病気
4.健康診断の頻度
5.まとめ
犬や猫の寿命は人間よりも短く、早く年をとると言われています。一般的には犬では7歳、猫では8〜10歳を超えると老犬、老猫と呼ばれます。
犬や猫は体調の変化を言葉や態度で表せません。さらに痛みや不調を隠す本能を持っているため、飼い主様が気付かないうちに病気や老化が進行してしまうこともあります。このため、人間以上に定期的な健康診断が大切なのです。
健康診断を受けることで、病気や健康上の問題を早期に発見し、早期治療を開始できます。特に、心臓病や腎臓病など、進行が早く、重症化しないと明らかな症状が現れない病気については、早期発見が命を救う可能性もあります。
また、犬や猫によっては検査結果に個体差が見られることもありますが、健康な時期から定期的に健康診断を受けておくことで、将来的に病気になった際のデータと健康時のデータを比較でき、病気の早期発見に繋がります。
健康診断を通じて、体のさまざまな部位を徹底的にチェックすることで、健康上の問題を早期に見つけ出し、適切な治療や予防策を施すことが可能です。具体的には、以下の検査が健康診断で行われます。
<身体検査>
視診や聴診、触診により、皮膚、耳、目、口内、リンパ節などの状態や心臓や肺の音に異常がないかを調べます。
<血液検査>
血液検査は、健康状態を把握するための重要な検査です。
肝臓や腎臓の機能、血糖値、貧血や高脂血症の有無、血球数などを調べます。
<尿検査>
尿に含まれる成分を調べ、腎臓や膀胱の病気を発見する検査です。
<便検査>
寄生虫の有無、細菌感染、大腸など消化器系の異常などを調べることが可能です。
<レントゲン検査>
骨の異常、心臓やその他の臓器の大きさや位置、膀胱や腎臓の結石などを確認できます。
<超音波(エコー)検査>
特に腹部の検査において有効で、腸の動き、肝臓や腎臓の状態、腹内の腫瘍の有無などをチェックします。
胸部の超音波検査は、心臓の内部構造や動き、血液の流れを評価する際に行われます。
一つの検査だけで発見できる病気は限られてしまいますので、これらの検査を組み合わせて受けることで、総合的な健康状態を判断することができます。
健康診断でよく見つかる一般的な病気は以下の通りです。
<歯と歯肉の病気>
歯周病は犬や猫にとって一般的な問題です。歯石の蓄積や歯肉の状態を定期的に確認することで歯と歯肉の健康状態を保つことができます。
<肥満や栄養不良>
適切な体重の管理は、犬や猫の健康にとって非常に重要です。肥満は、多くの健康問題のリスクを高める一方、栄養不良もまた、健康に悪影響を及ぼします。
<心臓病や腎臓病>
心臓病や腎臓病は、特に高齢の犬や猫にとって重要な健康上の問題です。これらの病気は、早期発見と適切な管理が必要なため、定期的な健康診断が不可欠です。
健康診断の頻度は年齢や健康状態によって異なります。6歳頃までの若い犬や猫では、年に1回の健康診断が推奨されていますが、高齢になると若い時期に比べて健康問題が発生しやすくなるため、半年に1回は健康診断を受けることが推奨されます。
しかし、特定の病気をかかえる場合、獣医師の指示に従いもっと頻繁にチェックを受ける必要があるかもしれません。
健康診断は、愛犬や愛猫が健康で幸せな生活を送るために欠かせないものです。早期に病気を発見し、早期に治療を始めること、そして予防医療を行うことが、愛犬や愛猫の長生きに繋がります。
定期的な健康診断の重要性を理解し、愛犬や愛猫のために最善のケアを提供することが重要です。
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