ノミ・マダニ予防の重要性|適切な予防対策が大切

ノミやマダニは春から秋にかけての暖かい季節に活動が活発になるこれらの害虫ですが、室内が暖かい場合は冬でも繁殖することがあります。犬や猫だけでなく、人間にとっても重大な健康リスクをもたらす可能性があるため、年間を通して予防対策を行うことが重要です。

この記事では、ノミ・マダニ予防の重要性と、飼い主様が取り組むべき具体的な予防方法について、詳しくご紹介します。

■目次
1.予防の重要性
2.ノミ・マダニがもたらす疾患について
3.予防法やご家庭での注意点
4.まとめ

予防の重要性

ノミやマダニは、犬や猫だけでなく人間にも悪影響を及ぼす外部寄生虫です。
ノミは強い痒みを引き起こすだけでなく、重度の場合には貧血を引き起こす可能性があります。

また、マダニはライム病やバベシア症、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など、命に関わる病気を引き起こす可能性もあります。
これらの疾患は、犬や猫だけでなく人間にとっても感染の危険があり、人獣共通感染症として知られています。

犬や猫が散歩中に寄生することが多く、森林や林だけでなく、街や公園、川辺にも生息しています。また、飼い主様が外から持ち込むことによって、室内飼いの猫にも影響を与えることがあります。

 

ノミ・マダニがもたらす疾患について

ノミやマダニの寄生は、犬や猫に強い痒みなどの不快感を与えるだけでなく、さまざまな疾患を引き起こす原因となり得ます。
ノミ・マダニによって引き起こされる代表的な疾患は以下の通りです。

<ノミによる疾患>

ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液に含まれる成分によって引き起こされるアレルギー反応です。これは犬や猫にとって非常に強い痒みを伴い、激しく皮膚を掻きむしることで二次的な皮膚感染症のリスクも高まります。

瓜実条虫症
ノミが中間宿主となる寄生虫病です。犬や猫がノミを誤って飲み込むことで、瓜実条虫が体内に侵入して腸内で成長し、消化器系に影響を及ぼします。

猫ひっかき病
ノミを介して伝染する細菌感染症で、人間にも感染する可能性があります。猫では感染していても、症状が出ることは稀ですが、人に発熱やリンパ節の腫れなどの症状を引き起こします。

 

<マダニによる疾患>

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
マダニによって媒介されるウイルス性疾患で、高熱、消化器症状、血小板数の減少などを引き起こします。人間にも感染し、重症化すると命を脅かすことがあります。

日本紅斑熱
マダニが媒介するリケッチアという細菌が犬や猫に感染しますが、症状を示すのかは不明です。人にも感染し、紅斑、発熱、頭痛、倦怠感などの症状を示します。

バベシア症
マダニによって媒介される原虫感染症で、犬や猫に重度の貧血を引き起こすことがあります。時には命に関わる状態に至ることもあります。

ライム病
ライム病は、マダニによってボレリア菌が媒介されることで発症する疾患であり、人間にも感染する可能性があります。多くの場合、症状が現れないことがありますが、発症すると関節炎の症状が見られます。

 

予防法やご家庭での注意点

ノミやマダニの予防には、スポットオンタイプの薬剤や経口投与薬など、定期的な外部寄生虫予防薬の使用が推奨されます。これらの薬剤は、ノミやマダニが犬や猫に付着するのを防ぎ、既に感染してしまった場合にも治療効果が期待できます。

さらに、愛犬や愛猫の居住環境を清潔に保つことも大切です。定期的な掃除や庭の手入れを行うことで、寄生虫の生息地を減らしましょう。
また、愛犬や愛猫を野外に連れ出す際は、マダニが多く生息する草むらや森林などの場所を避けることも、予防に効果的です。

 

まとめ

ノミやマダニは、犬や猫にとって単に不快な存在にとどまらず、深刻な健康問題を引き起こす可能性があるため、飼い主様は適切な予防対策を行うことが重要です。
適切な予防を行うことで愛犬・愛猫を守り、安心して過ごせる環境を整えましょう。

 

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