犬と猫の嘔吐・下痢について|病院に行くべきタイミングは?

突然、愛犬や愛猫が嘔吐や下痢をしてしまうと、飼い主様としてはとても心配になりますよね。何が原因なのか、どう対処すれば良いのか、不安でいっぱいになることと思います。
しかし、原因を理解し、適切な対応方法を知っておくことで、安心して対処できるようになります。

今回は、嘔吐や下痢の原因、考えられる病気、病院に行くべきタイミング、診断方法や治療法、予防策と家庭での注意点について詳しく説明します。

■目次
1.嘔吐や下痢の原因
2.考えられる病気
3.病院に来るタイミングや判断のポイント
4.診断方法・治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

嘔吐や下痢の原因

犬や猫が嘔吐や下痢をする原因はさまざまです。
例えば、急に新しい食べ物に変えた場合や、食べ過ぎた場合に消化不良を起こしてしまうことがあります。また、環境の変化や大きな音、他の動物との喧嘩など、ストレスが原因で嘔吐や下痢をすることも少なくありません。

さらに、犬や猫は好奇心旺盛なので、ゴミやおもちゃなど食べてはいけないものを誤って飲み込んでしまうことで、消化器官の問題を引き起こすことがあります。
また、内部寄生虫(例えば回虫や鉤虫)も嘔吐や下痢の要因となります。

誤飲誤食についてはこちらで解説しています

 

考えられる病気

嘔吐や下痢の背後には、以下のような病気が潜んでいることがあります。

胃腸炎
胃や腸の炎症が原因で、急性の嘔吐や下痢を引き起こします。細菌やウイルス、食物アレルギーなどが発症原因となります。症状としては、頻繁な嘔吐や下痢、食欲不振、元気がないなどが見られます。

 

膵炎
膵臓の炎症により、重度の嘔吐や下痢、食欲不振、腹痛が発生します。特に脂っこい食べ物を摂取した後に発症しやすいです。症状が進行すると、体重減少や脱水症状も見られます。

 

肝臓病
肝臓の機能不全が原因で嘔吐や下痢が発生します。肝臓は毒素を排出する重要な臓器であるため、機能が低下すると全身に影響が及びます。黄疸(皮膚や目が黄色くなる)、食欲不振、元気がないといった症状が見られます。

 

腎臓病
腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物が排出されずに蓄積し、嘔吐や下痢を引き起こします。初期症状としては多飲多尿が見られますが、進行すると食欲不振、体重減少、脱水症状が現れます。

慢性腎臓病についてはこちらで解説しています

 

甲状腺機能亢進症
特に猫に多い病気で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで代謝が異常に活発になります。その結果、嘔吐や下痢、体重減少、食欲増進が見られます。高齢の猫に多く見られる病気です。

 

病院に来るタイミングや判断のポイント

愛犬や愛猫が嘔吐や下痢をしている場合、どのタイミングで動物病院に連れていくべきか迷うことがあります。以下の状況に当てはまる場合は、すぐに受診をしてください。

嘔吐や下痢が24時間以上続く
短期間の嘔吐や下痢であれば様子を見ても問題ないことがありますが、24時間以上続く場合は、体力が消耗し、脱水症状を引き起こす可能性があります。

 

血便や吐血が見られる
嘔吐物や便に血が混じっている場合、内臓に深刻な問題がある可能性があります。これは緊急を要する症状ですので、すぐに獣医師の診察を受けてください。

 

元気がなく、食欲不振が続く
普段よりも元気がなく、食欲がない状態が続く場合は、体調不良のサインです。特に嘔吐や下痢が伴う場合は、内臓の疾患や感染症が疑われます。

 

脱水症状が見られる
脱水症状は、嘔吐や下痢によって体内の水分が失われることで起こります。皮膚を軽くつまんで離した際に元に戻るのが遅い場合や、目がくぼんでいる、口の中が乾いているなどの症状が見られる場合は、脱水症状の可能性があります。

 

頻繁に繰り返す嘔吐や下痢
嘔吐や下痢が一時的に治まっても再び繰り返す場合は、根本的な原因が解決されていない可能性がありますので、原因を特定して適切な治療を受けることが大切です。

 

診断方法・治療方法

嘔吐や下痢の原因を特定し、適切な治療を行うために、動物病院ではさまざまな診断方法を用います。
まず、血液検査では内臓の機能や感染症の有無を確認し、特に肝臓、腎臓、膵臓の状態を詳しく調べます。
糞便検査では寄生虫や細菌、ウイルスの存在を確認し、X線や超音波を使って消化器官の状態を詳しく調べます。必要に応じて内視鏡検査も行います。

治療は、診断結果に基づいて行います。感染症や炎症が原因の場合は抗生物質や抗炎症薬、寄生虫が原因である場合は駆虫薬などを処方します。
嘔吐や下痢による脱水症状を改善するために点滴を行い、消化に優しい食事を与えます。異物誤飲や腫瘍が原因の場合は手術が必要になることがあります。

治療後も定期的に診察を受けて症状の改善状況を確認し、必要に応じて治療方針を見直します。

 

予防法やご家庭での注意点

嘔吐や下痢を予防するためには、以下のポイントに注意しましょう。

まず、適切な食事管理が重要です。バランスの取れた食事を与え、急な変更は避けましょう。急な食事の変更は消化不良を引き起こすことがあるため、徐々に新しい食事に慣れさせることが大切です。
また、清潔な環境を保つことも予防につながります。ゴミや有害物質を取り除き、安全で清潔な環境で過ごせるように心がけましょう。

定期的な健康チェックも欠かせません。動物病院での定期健診を受けることで、病気の早期発見・早期治療につながり、重症化を防ぐことができます。
さらに、ストレスを軽減することも大切です。愛犬や愛猫がリラックスして過ごせる環境を作り、できるだけストレスの少ない生活を提供しましょう。ストレスは消化器系に悪影響を与えることがあるため、注意が必要です。

 

まとめ

犬や猫の嘔吐や下痢は、さまざまな原因が考えられます。軽度な場合は様子を見ても問題ありませんが、重症化する前に早めの対応が大切です。
少しでも異変を感じたら動物病院を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

 

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