犬と猫の避妊去勢手術は、病気の治療による手術とは違い必ずしないといけない手術ではありませんが、望まない妊娠を避けるためだけではなく、適切な時期に行うことで一部の病気の予防ができ、ペットの問題行動の改善につながるなどの多くのメリットがあります。
今回は、犬と猫における避妊去勢手術の重要性について解説します。
■目次
1.避妊/去勢手術とは
2.避妊/去勢手術のメリットと注意点
3.災害時の同行避難におけるマナーとしての避妊手術
4.まとめ
避妊去勢手術とは、犬と猫の生殖能力をなくすための手術のことを指し、メスでは避妊手術、オスでは去勢手術と呼ばれています。
手術は全身麻酔下で行われ、避妊手術では卵巣と子宮または卵巣のみの摘出を、去勢手術では精巣の摘出をします。
避妊去勢手術には、次のようなメリットと注意点があります。
■避妊去勢手術のメリット
・望まない妊娠が避けられる
ペットに発情が起きた場合、たとえ望んでいなくても妊娠をしてしまう可能性がありますが、手術を受けることでそのような事態を防げます。
・様々な病気の予防や発生リスクを減らせる
卵巣や子宮、精巣や前立腺など生殖器に関連する病気を予防できることに加えて、メスでは発情が始まる前や1回目の発情後の時期に手術を行った場合に、乳腺腫瘍の発生率を大きく低下させます。
・発情期のストレスや行動がなくなる
体調不良や精神的な問題、マウンティング行為などの発情に関連したストレスをなくすことができます。
■避妊去勢手術の注意点
・全身麻酔や手術による体への負担がある
術前には検査を行って細心の注意を払いますが、健康に問題がない場合でも全身麻酔のリスクはゼロではありません。また術後には痛みも感じますので、事前に手術のリスクや術後の対応などについて担当の獣医師にもよく確認しておくようにしましょう。
・肥満になりやすくなる
避妊去勢手術によってホルモンバランスが変化すると、消費エネルギー量が減少するので肥満になりやすくなる傾向があります。
肥満にならないよう、術後はそれまで以上に食事管理や体重管理をしっかりと行う必要があります。
災害時にペットとの同行避難が必要になった場合、避難所では多くの住民の方々や、他の犬や猫とも一緒に生活をすることとなります。
その際のペット同士の交配や喧嘩、鳴き声、マーキングなどのトラブルを未然に防ぐため、避妊去勢手術を受けておくことが環境省や各自治体からも勧められています。
災害時の予期せぬトラブルを回避するためにも、避妊去勢手術を行っておくことをおすすめします。
愛犬・愛猫に避妊去勢手術を行うことに不安を感じる飼い主様も多いかと思いますが、手術を受けることは望まぬ妊娠からペットを守るだけでなく、病気の予防や発情による問題の解決にもなります。
大切なペットの健康や快適な生活を維持するためにも、発情が始まる前に動物病院に相談し、避妊去勢手術の実施について獣医師とともに検討することが大切です。
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