犬の代表的な感染症の1つに、フィラリア症が挙げられます。犬のフィラリア症とは、蚊に吸血されることで感染する可能性がある病気です。
感染してしまうと、体内に寄生したフィラリアによって様々な症状が引き起こされます。末期になると命にも関わるため、発症を未然に防ぐことが非常に重要です。
今回は、犬のフィラリア症について解説します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
フィラリア(犬糸状虫)に感染している犬を吸血した蚊が、他の犬を刺すことでフィラリアの幼虫が犬の体内に入り感染します。
犬の体内に入ったフィラリアの幼虫は体の中を移動しながら成長し、やがて成虫となって心臓や肺動脈に寄生します。
この成虫の寄生によって、犬に様々な症状が引き起こされます。
幼虫であれば予防薬で駆除できますが、成虫になってしまうと治療が難しくなるので、注意が必要です。
幼虫の頃は目に見えない程小さいのですが、成長すると最大で30cmほどまで大きくなります。
感染しても、幼虫が小さい頃は無症状であることがほとんどです。
フィラリアが成長すると、元気や食欲がない、咳が出る、体重が減る、呼吸が苦しそうなどの症状が現れます。
末期になると黄疸、血色素尿、腹水、呼吸困難などの症状がみられ、最悪の場合には命を落としてしまうこともあります。
まずは聴診で心臓や肺の音を聞きます。また、フィラリアの感染を確認するために、血液検査によってフィラリア抗原の検出や顕微鏡下でのフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を確認します。
また感染が確認された場合には、X線検査や超音波検査、尿検査などを行い、心臓や肺、全身の状態から病気の重症度を判断します。
フィラリア症は治療が非常に難しく、一度感染してしまうと体内からフィラリアを完全に駆虫することはできません。そのため、感染することがないよう、予防を徹底して行うことが最も重要です。
フィラリア症は、決められている期間に正しく予防薬を投与することで発症を防ぐことが可能です。
予防期間については蚊の出現する時期に合わせて決まるため、地域によって差があります。また毎年予防薬の投与を始める前には必ずフィラリアの感染がないことを確認する必要があるので、動物病院で期間の確認と検査をしてから薬の投与を開始しましょう。
もしも予防薬の服用を忘れてしまった場合や、愛犬に気になる症状があるという場合には、早めに動物病院でご相談ください。
フィラリア症は感染してしまうと命にも関わる非常に危険な病気ですが、適切に予防薬を投与することで確実に防げる病気です。
愛犬の健康を守るためにも、フィラリア予防は毎年必ず行うようにしましょう。
大阪府吹田市の動物病院なら「吹田こもれび動物病院」