愛犬が腹腔内腫瘍と診断され、手術が必要なことや、手術中に輸血が必要になるケースがあることを告げられて不安でいっぱいの飼い主様もいるでしょう。
今回の記事では、犬の腹腔内腫瘍について、腫瘍とは何なのかを含めてわかりやすく解説します。また、輸血が必要になる理由なども解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.腹腔内腫瘍の原因
2.腹腔内腫瘍の症状とは?
3.診断方法と治療方法
4.予防方法と飼い主様が気を付けるべき点
腫瘍とは、細胞が異常に増えてかたまり状になったものを指します。腫瘍には良性と悪性があり、悪性のものを言い換えると「がん」となります。
お腹の中には、肝臓、胃、腸管、脾臓、腎臓、膀胱、子宮、卵巣、精巣などたくさんの臓器があり、これらのいずれの臓器に腫瘍ができた場合を総合して「腹腔内腫瘍」と呼びます。
症状は、腫瘍が良性か悪性か、どの臓器にできたのかなどによって異なります。悪性でも多くの場合、初期では無症状です。進行すると食欲不振、元気がなくなる、体重減少、腹部膨満、嘔吐など様々な症状がみられます。腎臓や膀胱、生殖器などに腫瘍ができた場合は血尿などがみられることもあります。
腫瘍によっては無症状のまま、いきなり破裂して腹腔内に大量出血することもあります。
腫瘍の診断は、血液検査やレントゲン撮影、超音波検査やCT撮影などを総合して行います。
治療方法は、良性悪性に関わらず多くのケースで腫瘍を取り除く手術が選択されます。すでに腫瘍が破裂している場合は緊急手術が必要です。
腫瘍が破裂していなくても手術中に大量出血する可能性もあり、輸血が必須となる状況もあり得ます。
輸血は侵襲性のある手術に耐えうる状態に近づけることを目的としており、出血が予想される手術で、かつ凝固系(血が固まる経路のこと)にも異常が出ている場合に行われます。
当院には大型の輸血犬がおり、血液型などが合えば新鮮全血の輸血がすぐに可能です。
輸血についてご相談がある場合は、一度お電話などでお問い合わせください。
腫瘍ができる原因ははっきりとは解明していないため、予防は難しいと言えます。
腹腔内腫瘍の場合、できるだけ早い段階で発見して手術を行うことが、手術自体のリスクやその後の余命にも関わります。
腫瘍は初めの段階では無症状であることが多いため、飼い主様自身で発見するのが困難なこともあります。動物病院で定期的な健康診断を受けて早期発見につなげることが大切です。
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